診察中の医者と患者

寒い季節になると、冷え性や風邪などの症状に悩まされがちですが、下半身が冷たいと悩んだ事は無いでしょうか。ただの冷え性だと思っていても、実は病気が潜んでいる可能性もあります。今回は、下半身の冷えについて、考えられる原因と病気をご紹介します。






下半身が冷たいのはなぜ?気になる4大原因と注意したい病気


1)どんな症状が現れる?下半身が冷たい場合の代表的な症状とは

身体が冷えると辛いですよね。足や腰などに手をあててみて、冷たくて驚く事もあるかと思います。冷え性の方ならお分かりになると思いますが、下半身が常に冷えているような感覚があります。身体は冷えると血流が悪くなり表面が青みがかる時があり、血流の悪化は様々な症状を引き起こします。下半身だけが冷える場合には、どんな注意が必要なのでしょうか。

2)どうして冷たくなるの?考えられる4大原因とは

(1)デスクワーク

事務作業や、パソコンを使った業務など、普段からデスクワークが多く、座りっぱなしの体勢になる事が多い方は、デスクワークが原因の冷え性の可能性があります。長時間座っていると、座骨神経と呼ばれる神経が圧迫され、足の血管を収縮してしまいます。そして細くなった血管では血流が悪くなるため、その結果として下半身の冷えが現れる事があります。

(2)自律神経の乱れ

自律神経は、交感神経系と副交感神経系の神経が、交互に働く事で身体のバランスを保っています。この自律神経が乱れると、血流の悪化を引き起こす事があります。自律神経はストレスに非常に弱く、環境や生活習慣の変化、また精神的なストレスなども原因となって不調を起こす事があります。

(3)運動不足

足、特にふくらはぎは、血液を身体の上の方へ戻すポンプの役割も担っています。運動不足の状態が続き、足の筋肉が衰える事で血液を押し出す力が弱くなり、血流の悪化、下半身が冷えを起こす事があります。

(4)加齢による冷え

40代を過ぎ、50代60代と年齢を重ねていくと、身体全体に衰えが生じてきます。血流などの循環器も例外ではなく、加齢と共に血流やリンパ液の流れなどの活動が低下する事が多くなります。結果として、血流の悪化による下半身の冷えを引き起こします。

3)試せる応急処置とは?症状への対処方法とは

(1)白湯を飲む

朝は、一日で最も水分が失われている時です。白湯(さゆ・いったん沸騰させたお湯をぬるく冷ましたもの)は朝が最も吸収されやすく、また身体を温める効果もあります。胃や腸を温める事で、熱が作られ冷えづらい体質へと変化していくとされています。また、お湯なのでカロリーが無い事も女性とっては嬉しいポイントですよね。ちなみに、紅茶やコーヒーなどは暖かい飲み物ですが、カフェインが交感神経を刺激してしまい、「冷え」にはあまり良くないようです。

(2)直接温める

おなかからカイロなどを充てたり、寝るときには湯たんぽや電気あんかなどを利用して温めましょう。温度が高すぎると低温やけどなどの危険がある為、湯たんぽや電気あんかなどはタオルにくるむなどして温度を調整してください。また、エアコンなどで部屋全体を温める事も有効ですが、温かい空気は上に溜まりやすいため、エアコンを利用する場合には吹き出し口を下いっぱいまで下げて、部屋の下の方に温風が流れるようにすると良いでしょう。足から温めるために、ホットカーペットなどを利用するのも効果的です。

(3)マッサージ

マッサージをして、血液やリンパ液の流れをスムーズにする事で症状が改善される事があります。太ももやふくらはぎなどを、力を入れ過ぎずに揉みこむようにマッサージをすると良いでしょう。血流が良くなると、自然と体温が上昇し、冷えを抑える効果があります。

※原因が特定できない場合での自己判断はリスクがありますので、専門家へ速やかに相談をしましょう。






4)これって病気?病気かどうかのチェック項目と判断基準とは

単なる冷えであれば、それほど心配する必要は無いのですが、年齢や身体の状態をチェックして、思い当たる節がある場合には注意が必要です。冷え対策を十分に行っているにも関わらず、冷えが続く場合や、梨状筋(りじょうきん)が硬くなっている場合、また生理不順などの婦人病に心配がある場合などは、迷わず病院を受診しましょう。

5)症状が続く場合は注意!考えられる3種類の病気とは

(1)梨状筋の硬化による冷え

梨状筋とは、骨盤の中央付近からおしりに沿って、太もものへと続く筋肉です。足の付け根の動きに重要な役割を果たしており、運動不足や加齢などによりこの梨状筋が硬く硬化する事で、下半身の冷えが引き起こされる場合があります。下半身だけが冷える原因として、この梨状筋の硬化と婦人病が原因のほとんどを占めます。

(2)婦人病

下半身の冷えが長く続くと、子宮筋腫や子宮がん、卵巣がんなどの病気を引き起こしやすくなります。冷たくなると、細胞は収縮しますが、子宮の細胞は固くなりやすいです。月経時に、レバー状の経血が出る場合には、血流が悪くなり血液がドロドロになっているため、注意が必要です。

(3)骨盤のゆがみ

骨盤は、普段の歩行や立ち仕事などで少しずつゆがみが生じています。猫背などで姿勢が悪かったり、立っている時にどちらかの足に重心をかけてしまうとゆがみをひどくしてしまう場合があります。骨盤は、上半身と下半身をつなぐ重要な役割を果たしており、血流やリンパ液などの流れがゆがみによって圧迫、妨げられてしまうと、下半身のみが冷える事があります。また、筋肉や神経の働きも低下させてしまうため、身体に様々な異常をきたす可能性があります。

6)治まらない場合は専門家へ!症状への検査・治療方法とは?

疑われる症状により、受診科目が異なります。梨状筋に関する症状や、骨盤のゆがみが原因と感がられる場合には整形外科を受診し、婦人病の疑いがある場合には婦人科を受診します。症状の切迫性に応じて、女性の方ならまず婦人科を受診し、問題が無ければ整形外科を受診すると良いでしょう。

(1)検査方法

検査は、婦人科であれば血液検査やエコー・レントゲンなどの画像診断、整形外科であれば問診や触診などと共に、画像診断を行います。ただし、梨状筋の症状の場合には画像診断が用いられる事はほとんどなく、足を曲げて痛みが出るかどうかなどを確かめる、「Kボンネットテスト」と呼ばれる診断方法が用いられます。費用は初診かどうかや、検査項目の多少で異なりますが、保険適用の為概ね3,000円から5,000程度で治まる事がほとんどです。

(2)治療方法

梨状筋の硬化の場合には、症状が軽い場合には温熱療法と呼ばれる、患部を温める治療や、飲み薬による治療が行われますが、重い場合には、筋肉に直接薬剤を注入するブロック注射などを行います。婦人科での治療は原因となる病気によって大きく異なります。がんなどの病気であれば段階に応じて手術をすすめられる場合もあります。骨盤が原因の場合には、コルセットなどで矯正治療を行う事が一般的ですが、場合によってはこちらも手術をすすめられる場合があります。

※上記費用計算は、保険3割適用の場合です。負担割合によって異なります。

また、保険適用外の検査を受けた場合など、状況によって費用が大きく異なる場合があります。

7)日々の生活から改善を!下半身が冷たい症状への予防習慣とは

骨盤を含め、おしりなどに負担をかけないようにする事が大切となります。デスクワークなど座った状態が長く続く場合には、1時間に1回程度、一度立ち上がってストレッチなどをすると身体の血流が改善されます。また、運動不足も血流の低下を招くため、日ごろからこまめに運動をする習慣をつけると良いでしょう。

通勤の際にエスカレーターではなく階段を利用したり、電車では座らず立つなど、日常生活に無理の無い範囲で、毎日継続的に下半身を鍛える必要があります。食事も冷えにとっては重要なポイントとなります。体を温める食材は、寒い時に収穫されるもの・寒い地域で収穫されるもの・地面から、地中に向かって伸びるもの(根菜など)・味の濃いもの・色の濃いものとされています。これらの食材を参考に、日常の食生活から見直してみるのも良いでしょう。






今回のまとめ

1)どんな症状が現れる?下半身が冷たい場合の代表的な症状とは

2)どうして冷たくなるの?考えられる4大原因とは

3)試せる応急処置とは?症状への対処方法とは

4)これって病気?病気かどうかのチェック項目と判断基準とは

5)症状が続く場合は注意!考えられる3種類の病気とは

6)治まらない場合は専門家へ!症状への検査・治療方法とは?

7)日々の生活から改善を!下半身が冷たい症状への予防習慣とは