患者の診察を行っている医者

頬骨をぶつけたり打ったりしたわけでもないのに、鼻の横の骨あたりに痛みを感じる場合があります。実はこの症状は骨に異常があるわけではなく、その内部に痛みを発生する原因があります。鼻の横の骨が痛い原因や治療法をご紹介します。 






鼻の横の骨が痛い?考えられる4大原因と対処方法とは 


1)そもそも鼻の横の骨とは?痛い場合の代表的な症状

(1)鼻の横の骨とはなに?

鼻の横に位置する骨は「頬骨」と書き、「きょうこつ」「ほおぼね」と読みます。 頬骨は頬を隆起させ、眼窩の下前部を構成しています。 頬骨は、鼻の周囲にある4つの空洞のうちの「上顎洞」という空洞の前に位置しています。 

(2)どんな症状が現れるか

・鼻の横を押すと痛い 

・顔の向きを変えると痛みがある 

・歯を磨いたり飲食すると痛みがある 

・電気が走るような激しい痛みが時々ある 

・鼻をかむと痛みがでる 

などの症状が主に考えられます。

2)何が原因?痛む場合の4大原因とは 

(1)鼻が原因 

鼻の奥にある「上顎洞」という空洞に炎症が起きることが原因です。鼻水や鼻づまりにより、副鼻腔という鼻の中にある袋に膿が溜まり炎症を起こすと上顎洞にも影響があらわれます。 

(2)歯が原因 

奥歯に虫歯があり、それが歯の神経にまで達していると、鼻の横の骨あたりに痛みがあらわれます。奥歯の神経を抜く抜髄治療の後などにも見られる症状です。また、虫歯や歯槽膿漏を放置した結果、細菌が上顎洞に侵入して炎症を起こす場合もあります。 

(3)神経が原因 

顔に、感覚(温度・痛み・触感など)を伝える神経を「三叉神経(さんしゃしんけい)」といい、脳から目・上顎・下顎に分かれており、感覚を脳に伝える働きをします。この三叉神経が何らかの原因で圧迫されると、独特な痛みを発生します。 

(4)頬の筋肉疲労 

緊張で筋肉が収縮したり、笑い過ぎて頬の筋肉を使い過ぎたときなどは、両方の頬骨が痛くなる場合があります。 

3)応急処置はある?続く症状への対処方法とは 

鼻の骨の横が痛くなるのは、鼻の奥や神経が原因の場合がほとんどなので、検査を受けて治療することが必要になります。頬の筋肉疲労の場合は、顔のマッサージや筋肉を休ませる事で改善しますが、神経や歯・鼻が原因の場合は治療を行わなければ改善しません。風邪や鼻づまりの症状・虫歯かもしれないといった自覚がある場合は、それらの治療を行いましょう。






4)症状が続く場合には注意!考えられる3種類の病気とは 

(1)蓄膿症(副鼻腔炎) 

鼻水や鼻づまりが悪化し、鼻にある「副鼻腔」という袋に膿が溜まるようになります。鼻をかむと黄緑色の粘っこい鼻水が出るようになり、頭痛や目の奥の痛み・口臭がきつくなるなどの症状があらわれます。 

・慢性のアレルギー性鼻炎の人 

・風邪や花粉症が原因で急性の蓄膿症になった人 

・鼻が変形してしまった人 

・鼻の造りが膿が溜まりやすい形をしている人 

これらが原因で蓄膿症に移行してしまう場合があります。蓄膿症の治療は耳鼻咽喉科で行われます。鼻の中にカメラを挿入したり、レントゲンやCT検査などで副鼻腔内の状態や溜まっている液体を調べます。溜まっている液体の吸引・鼻から副鼻腔まで霧状の薬を送り込むネブライザー治療・鼻水や菌の増殖を抑える薬物治療などが行われます。症状が酷かったり何度も繰り返す場合は、炎症を起こしている鼻の粘膜を除去する手術が行われます。 

(2)虫歯・歯槽膿漏・根管治療の予後が悪い 

奥歯が虫歯になっている場合、神経まで達していないと頬骨まで痛みが響くことはありませんが、神経やその付近まで達してる場合は痛みがあらわれます。奥歯の神経を抜く抜髄治療を行った場合でも、その根管である部位が炎症を起こしたりすると、頬骨付に近まで痛みを発生することがあります。また、歯槽膿漏や虫歯を治療せずにいると、黄色ブドウ球菌という細菌が繁殖して上顎洞に炎症が起こり、頬骨の痛みや鼻から膿が出てくる症状があらわれます。 

痛み方は、炎症を起こしている歯がある側にだけ発生します。歯科を受診すると、虫歯や歯槽膿漏の治療・抜髄治療のやり直しなどが行われます。鼻の奥に膿が溜まっているかどうかは、レントゲンやCT検査・歯の打診などで判断します。膿を取る治療は耳鼻咽喉科になり、膿の吸引・洗浄・抗菌剤の処方などが行われます。

(3)三叉神経痛 

顔に受ける感覚を脳に伝える三叉神経が、腫瘍により圧迫されることで痛みを発生します。痛みは突発的で非常に強くあらわれます。ピリっと電気が走るような痛みで、数秒から数十秒でおさまります。飲食や歯磨きで痛みが走ることがあり、鼻の横の骨を押すとビキっとした痛みが走ります。

受診する医療機関は、脳神経外科です。症状のあらわれ方や痛み方などを詳しく聞き取り、MRIなどの画像診断で判断されます。三叉神経痛の診断は難しいので、専門医のいる病院を受診することが重要です。治療は主に外科的手術で神経を圧迫している部位の治療が行われます。その他にも、神経の伝達を抑える薬などが処方されます。 

5)日常生活から改善を!鼻の横の骨が痛い症状への予防習慣

鼻の横の骨の痛みは、蓄膿症や虫歯・歯槽膿漏などが原因で発生しやすい痛みなので、それらの治療をきちんと行いましょう。鼻水がでる風邪を引いた場合は、鼻のかみ方(両方一緒にかまない)や鼻をすすらないように気をつけてください。鼻の奥が炎症したり鼻水が溜まって蓄膿症に移行してしまう可能性があります。また、三叉神経痛の痛みは強烈ですが、何分も痛みが続いたりズキズキするような痛み方ではありません。顔に数秒電気が走るような激しい痛みを感じたら、早めに脳神経外科を受診するようにしてください。






今回のまとめ 

1)そもそも鼻の横の骨とはなに?代表的な症状とは

2)何が原因?痛む場合の4大原因とは 

3)応急処置を!続く症状への対処方法 

4)症状が続く場合には注意!考えられる3種類の病気とは 

5)日常生活から改善を!鼻の横の骨が痛い症状への予防習慣